幹に腐れを発見!しかもアリが・・どうしたらいい

 わが家の庭掃除をしていたら、紅葉?の木の幹に腐れた部分を発見してしまいました。ハサミでつついてみたら、崩れていって、中から蟻も出てきたり…これはもう枯れてしまうのでしょうか。どうしたら良いのか分からないです。もしまだ何かやっておく事があれば教えてもらえませんか?

 モミジの木ですね。高さ2mくらいのところから幹に穴があいているようです。太ももくらいの幹でしょうか。しっかりとした枝から、ある程度年数が経ている庭木だと思われます。
 大切にされている庭木がこのように腐ってきたら、心配ですね。今回はこのような状態になった庭木について解説していきましょう。

幹が腐った原因とは

 今回の幹が腐った原因について推測して見ましょう。モミジの芯となる幹が途中で切られています。かなり太い部分が切られています。恐らく大きくなりすぎたため、強剪定を後だと思われます。腐り具合から見ると切除されてから、ずいぶんと時間が経っているのではないでしょうか。その後、切り口から腐朽菌と言われる樹を分解する菌が侵入し、少しずつ下へ腐りが広がったと思われます。また、太い枝が幹から出ていますが、上部がやはり腐ってきています。これは、太い幹を切った時にかなり近い地位に枝があったため、枝へ向かう道管という水を上げるためのストローのような管に傷が入ってしまい、結果的に枝の上部の細胞が枯死してしまったものと思われます。
 ただ、幹の切り口から、新しい緑色の枝が出てきて元気よく伸びています。よって、このモミジ自体はまだまだ元気で、今後も長く生きていく体力を持っていることが分かります。
 ちなみに、細い枝でも切り方を間違えると大きな傷となってしまいますので、剪定の方法は注意が必要です。下の写真はサクラの太枝を強剪定した痕です。これは、右に出ている枝よりも10㎝近く上で切ってしまっています。こうなると、この10㎝部分は今後確実に枯れていきます。この枯れた部分が邪魔となって、傷口を塞ぐことができなくってしまいます。適切なのは、右の枝の上2cmのところから左斜めに切断する形です。
 庭木を切断する時は切りすぎと、残しすぎには気をつけて、適切な場所で切断しましょう。特に太い枝や幹には気をつけましょう。
 

樹勢回復のために出来ること

 幹が腐っている状態でアリも出入りしているということですが、少しでも腐りを止めて樹勢をよくするにはどんなことができるでしょうか。
 まず、腐りを止めるためには、腐りの原因である腐朽菌の活動をなるべく遅くさせるのがよいでしょう。そのためには、湿度が高くなることを防ぎ風通しを良くしておくことです。まず、腐ってブヨブヨとして部分は取り除き、中の木屑などもできる限り取り除きます。また、日陰になるようなら剪定をして陽当りを良くして、風通しもよくします。
 もし可能であれば、市販の殺菌剤を散布したり、果樹の剪定枝の腐り防止でよく使われるトップジンMペーストを塗布しておくとよりいいでしょう。
 ただし、雨をしのぐためにと、穴に詰め物をしたり、蓋を作って被せたりするのは良い選択ではありません。かつてはよく使われていましたが、実際は風通しが悪くなり、より菌類の発生を促進してしまう事例が多発していました。現在は、穴を塞がずにあけたままで乾燥させるのを優先しています。雨で濡れるのを防ぐことよりも、その後の乾燥を促進することを優先します。
 そして、樹の樹勢は栄養分の量によって変わります。すこしでも、栄養分を与えて樹勢をよくしましょう。樹勢が良いと、腐朽部の細胞が活性化されて、穴を覆うように細胞が発達します。小さい傷ならば数年で埋まってくれます。下の写真はケヤキの大木ですが、かなり太い枝の切り口があと少しまで埋まってきています。この丸く膨らんでいる部分が形成層が活性化して膨らんだカルスと言われる部分です。カルスを活性化するには肥料を定期的に投与するのがよいでしょう。肥料の役割ついては、他のブログ「肥料はなんのためにするのですか?」をご参考ください。

倒木の危険を察知する

 切り口から腐朽が入ると、その後下へ下へ腐朽が広がっていきます。樹は幹の中心部が腐っても、周囲の細胞が生きていれば生長することができます。いわゆる形成層が重要となります。しかし、幹の中心部が腐っていくと、当然に倒木の危険性が高まります。腐朽は遅くすることができても完全に止めることは困難です。よって、いつかは倒木すると考えた方がいいでしょう。重要なのは、年に1度くらいは樹を揺らして、倒木の危険性が近づいていないかを確認しておきましょう。危険を感じたら、支柱をして倒木を防いだり、安全を重視して伐採する決断をしたりする必要があることを意識しておきましょう。
 しかし今すぐ危険であるという信号が現れている時は、即伐採することをお勧めします。今すぐ危険である信号とは、サルノコシカケの発生です。サルノコシカケについての詳しい内容については、別のブログ「樹にサルノコシカケがあるけど問題はない?」を参考ください。

今後の注意点

 以上から、今後の注意点をいくつか挙げておきます。1つは、まずはなるべく強剪定は避けることです。しかし、これについては難し所も多々あります。とはいえ、太い枝や幹を切ると、必ず腐朽菌が入り込みます。これを防ぐのは難しいと言えます。もし、少しでも腐朽菌の発生を防ぐには、剪定後に定期的に殺菌剤を散布する方法もあります。青森では剪定を嫌うソメイヨシノが100年以上元気で育っていますが、剪定後の殺菌剤散布を欠かさず、少しでも腐朽菌が増えるのを防いでいます。
 また、幹や枝の腐りを見つけたら、キノコの存在を確認しましょう。キノコは種類にもよりますが、かなりの確率で倒木の可能性が高まります。もしキノコが確認できたら、その木の多くは既に菌類が蔓延している状態だということを理解しておきましょう。
 問題が無いようなら、少しでも腐朽菌が進まないように手だてをしましょう。湿度を避けて風通しをよくしましょう。そして、定期的に倒木の点検を行い、適切かつ安全な措置をしながら、長期に生長する様に手助けしましょう。


 大切な庭木に異変があると心配になりますね。最近は全国的に倒木が増えています。また、松江市や出雲市などの近場でも倒木をニュースで見るようになりました。庭木も年数が経てば経つほど衰えていきますし、枝折れや幹腐れなども起きる可能性は高くなります。今回のようにお庭を定期的に点検しておくことは非常に大切なことですね。
 そして、もし、異変に気づいたら専門家に相談しましょう。

庭木の維持管理について詳しくは【サッパリーズ】までお問い合わせください。

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