果樹の実がならないのは何故?

 庭木に果樹を植えていて、随分と昔からあるけど、最近実がならなくなった。あんなにたくさん実が取れたのに何故なんだろう。そのような内容のご相談です。

 出雲地方では、庭木として昔からよく植えられているのは柿、イチジク、キンカンが多いですね。

 桃栗三年、柿八年という有名なことわざがあります。これは一人前になるには時間がかかるという意味がありますが、それを果樹の実がなるまでも時間がかかることを比喩としたものです。

 果樹が実をつけるには時間がかかるのは何故でしょうか。樹種により様々ですが、大きな実がなる木ほど時間がかかります。それは、そもそも実をならせる目的があるからです。それは繁殖です。子孫を残すためです。果樹は中に種があります。種こそが子孫です。人間も子孫を残すように果樹も子孫を残すために種を含めた果樹を作ることで、動物や鳥に種を運んでもらって、子孫を増やすのです。

冬の風物詩 柿

 逆に言えば、実をつくるために果樹は大きな負担を背負っています。花を咲かせて実をならせるために沢山のブドウ糖やエネルギーを使っているのです。
 それでは実が成らなくなた理由を見ていきましょう。

実をなるための沢山の条件

 果樹が実をなすためにはいくつかの条件を全てクリアしなければなりません。その条件がクリアできなければ実がなりません。まずは条件をクリアできているかどうかを確認しましょう。

果樹の種類にもよりますが、多くは種類の異なる花粉が必要です。1本で受粉できる自家受粉もありますが、それでもなるべく他品種の花粉と受粉する他家受粉をすることでより実が成りやすく、良い実が成ります。人間同様に、多様な遺伝種の交配がより強くて適応力の強い種を残すのですね。
 よって、まずは、近くに同樹種の果樹がないと受粉の確率が下がってしまい、実のなる確率も下がります。できれば同じ敷地に数本の同樹種を植えてあると良いでしょう。

たわわに成る柑橘

 花には蜜があり、昆虫が好んで寄ってきます。それは受粉の関係上好ましいのですが、昆虫が病気や線虫などの害虫を運んでくることもあります。病気になったり、害虫に食害されると、花から実をつけることができなくなります。実が成っても、昆虫に食害されるとすぐに落ちてしまったり大きくならず、やはり、期待しているような実はなりません。

 果樹にはそれぞれ特有の病気や害虫があり、発生時期も決まっているので、果樹それぞれにおいて、殺虫や殺菌などの防除を適正な時期に行うのがよいでしょう。

実をつける体力が必要

 そもそも、実が成るためには、果樹自身の体力が十分にあり、根がしっかり伸びて水分と養分を十分に吸い上げることができなければいけません。そして、枝を大きく伸ばして、葉をたくさん茂らせることで、光合成により十分なブドウ糖を作り出し、それを利用してさらに根と枝を伸ばしていくのです。

 過去に何もしなくてもたくさんの実を成らせていたのに、最近は全然実がならなくなったという場合は、上述の条件はクリアしているけども、そもそも体力がなくなっている可能性があります。

秋の代名詞 栗

 果樹の体力が保たれてこそ、立派な実を成らせることができるのですが、果樹の体力が衰退する理由は多くは一つの原因であることが多いです。それは、土壌です。
 では、土壌のどのような状況が衰退の原因になるのかを説明しましょう。

果樹の衰退原因となる土壌状態

 果樹に関わらず庭木の衰退原因となる土壌状態とは、酸素欠乏状態です。これは、年数を経ると徐々に進行する状態です。

 特に、土地が限られた場所、つまり周囲が舗装で囲まれたり建物の基礎で根を伸ばす範囲が限られている場合には深刻となります。また、果樹の近くが通り道となっていたり車が通る道となっていると、例え舗装していなくても、非常に固結した固い土壌となってしまいます。

 そうでなくても、雨降って地固まるといれるように、雨が降るたびに地面は固くなっていきます。

 地面が固くなるということは、土中の中の隙間がなくなっていることを意味します。隙間がなくなると当然空気がなくなるわけですから、土中の酸素が欠乏します。

縁起も良いとされるキンカン

 果樹や庭木の根は土中で呼吸をしています。よって、酸素が生きるために必要です。雨と一緒に雨水に溶けた酸素を取り入れています。しかし、固い地面では雨水も染み込みにくく、酸素を取り入れるのが難しくなります。

 固くなってしまった地面は、土壌改良を行って土壌を再生する必要がありますが、毎年寒肥を施肥していれば、年々少しずつ土壌をやわらかくすることになるので、養分だけでなく酸素も供給すること出来ます。
 冬の時期の寒肥は、土壌が固くなることを防ぎ、果樹の生長に必要な養分を供給する優れた方法なのです。

 固くなってしまった地面は、土壌改良を行って土壌を再生する必要がありますが、毎年寒肥を施肥していれば、年々少しずつ土壌をやわらかくすることになるので、養分だけでなく酸素も供給すること出来ます。
 冬の時期の寒肥は、土壌が固くなることを防ぎ、果樹の生長に必要な養分を供給する優れた方法なのです。


 果樹のメンテナンスとして、毎年の冬期の寒肥は是非行いましょう。寒肥は養分の供給のみならず、土中への酸素供給としても重要な役割を果たします。寒肥のおかげで、根が伸びて体力が保たれ、結果的に実を成らせることができる果樹を維持することになります。

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